先生!その例は適切ですか?

2010.12.3
8月の東京セミナーである先生のお話を聞く機会がありました。その先生は家族会の前で
・アルコール依存症の家族に、今日は何を作るのか(食べるのか)たずねると、いつも夫や子供の好物ばかり言う。自分の食べたい物はと聞くと、自分は何でもいいと答える。不思議な人たちだ。

ということをおっしゃられました。

いや。不思議でも何でもないと思います・・・それを不思議だとお感じになるのは、先生に、

「毎日家計簿をつけ、食事のメニューを考え、準備して、後かたづけする」

という経験があまりないからではないでしょうか?

上記の例を先生は

つまり依存症の家族は自分の事を後回しにする。自分の気持ちに目を向けない

という結論を導き出す、一つの理由にされていましたが、それはなんか違うやろ~と思ってしまいました。

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今日何を作ろうかと考えるのは、毎日たいへんで、正直ウンザリすることもあります。まず、考えるのが、めんどくさい!!買い物して作るのも大仕事!!しかも、日々おいしいだのおいしくないだのキライだの味が濃いだの薄いだの、文句ばっかり言われるわけですよ!!

・メニュー考えるのが面倒
・作るのが面倒
・文句言われるのが面倒
・後かたづけも面倒だ!!

家族の好物を毎回作っていれば「お母さんおいしい!ありがとう!」なんてほめたたえられます。こんな毎日のメンドクさいこと、ほめられておだてられでもしなきゃ、やってられないっすよ!先生方だって、患者さんや家族から「ありがとうございます」って言われる一言のため、がんばれるんじゃないですか?

結局、自分が楽・・・自分の気持ちに正直に向き合っているからこそ、「作るモノは家族の好物」です。

先生方、試しに、アルコール依存症家族でない普通の主婦にも同じコトをたずねてみてください!私たちと同じ答えを返して来ると思いますよ!!!先生方もぜひ、毎日毎晩、家族のご飯(自分だけじゃなく家族の)を作ってみてください。仕事しながらできますよ。多くの女性が仕事しながらご飯作ってます。半年くらいで、私たちと同じ答えをするようになりますよ~!!(断言)


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こんなことをいうのは視野の狭い一部の先生だけだろうと思っていたら、今月発売されたBe!増刊の「回復のルール」で、ASKの水澤先生まで同じようなことを書いていました。

読んでいると、ぷくぷくわいてくる、「納得できない」気持ち~。質問の持って行き方が意地悪なような気がする~。最初に「家族は自分のコトは後回しにするモノだ」という結論ありきの、誘導尋問っぽい~。いや~ん、水澤先生まで~。ひど~い。。。


「今夜は何を作りますか?」
「子供の好物のカレーライスを作ります」

カレーライスは
・それ以外におかずを用意する必要がない
・栄養バランスもいい
・鍋が一つしか汚れない
・お皿が一つしか汚れない
・家族が喜ぶ
素晴らしいメニューです!!子供の好物かつ自分が楽!
でも、普通の「今夜はカレーを作る」会話で、「今日は手抜きしたいからカレー」とはあんまり言わないです。「子供が好きだから」って言っちゃいますー。

他にも「今夜は鍋にします。寒い中仕事から帰って来る夫が暖まるように(それに鍋物なら楽だし)」とか、ありそうです~。

なんだか、普通に常識的な会話をしてるだけなのに、「ふふふ、今のあなたの言葉から、あなたが自分自身の気持ちを大切にしてない状態にあることがわかりますね(得意げ)」と言われたようで~なんだかイヤだなあ。センセイ方皆さん、いつもそーんな目で私たちのコト見てるのねっ!!

というわけで、
「家族は自分のことを省みない」という結論はまあさておき、、その理由として
「例えば、食事は家族の好物ばかり作る」という例を出すのは
適切ではないと、私は主張します~。



(追記)
「自分が食べたい物はどうするのか?」→ 外食しますね・・・。
家族でファミリーレストラン、とか。回転寿司とか。友達とイタ飯とか和食ダイニングとか・・・


R.S.